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特定技能2号の条件を徹底解説 〜1号との違いと移行のポイントをわかりやすく紹介〜

少子高齢化が進む日本では、多くの産業分野で深刻な人手不足が続いています。中でも製造業・建設業・造船業などの現場では、即戦力となる人材の確保が企業経営の重要課題となっています。

そんな中で注目されているのが「特定技能2号」という在留資格です。この制度は、一定の試験や実務経験を経た外国人労働者に、より長期的な就労と安定した生活の道を開くもの。企業にとっても、熟練した人材を安定して雇用できる大きなメリットがあります。

本記事では、特定技能2号の条件を中心に、制度の概要や特定技能1号との違い、取得までの流れ、分野別の要件、手続き、そして今後の展望までを分かりやすく解説します。

外国人材を中長期的な戦力として育成・確保したい企業の採用担当者の方にとって、実践的なヒントが得られる内容になっています。ぜひ最後までご覧ください。

特定技能2号とは?企業にとっての注目ポイントを解説

永住・家族帯同も視野に入る長期雇用向けの在留資格「特定技能2号」とは何か、企業が知っておくべき基本情報を解説します。

日本の人手不足が深刻化する中、即戦力となる外国人材の活用はあらゆる業界で重要なテーマとなっています。その中でも「特定技能2号」は、特定技能1号よりも高いスキルを持つ外国人を中長期的に受け入れられる制度として、企業から注目を集めています。

ここでは、特定技能2号の制度概要と導入の背景について解説し、なぜ製造業・建設業・造船業などの採用担当者にとって重要なのかを明らかにします。

特定技能2号の定義と目的

特定技能2号は、一定の実務経験や試験合格を経て、より高度な技能を持つ外国人材が対象となる在留資格です。特定技能1号とは異なり、在留期間の更新制限がなく、家族の帯同も可能であることから、企業にとっては中長期的な人材確保の手段となります。

  • 特定技能1号との在留制度上の違い

  • 熟練者・指導者層を対象とする制度設計

  • 現在の対象分野とその特徴

導入の背景と日本の人手不足問題

少子高齢化による労働力不足が深刻な中、単純労働だけでなく熟練技能者の確保が求められています。特定技能2号は、特定技能1号では対応しきれない現場のリーダー層を担える人材の確保と、外国人労働者にとっての日本での生活基盤の安定を両立させる仕組みとして注目を集めています。

導入の背景:
・高齢化による建設・製造・農業分野の人手不足
・特定技能1号で課題となっていた短期雇用・定着率
・技能実習制度からの移行と制度見直しの流れ

特定技能1号との違いは?企業が押さえるべき6つのポイント

特定技能2号を理解するには、まず1号との違いを把握することが不可欠です。在留期間や家族帯同の可否、企業側の支援義務の有無など、制度的な差異は人材の定着率や育成方針に大きく影響します。ここでは、採用・運用に直結する6つの重要な違いを紹介します。

在留期間・家族帯同・永住権などの権利の違い

在留資格の大きな違いのひとつは、「滞在可能な期間」と「帯同できる家族の有無」、そして「永住権取得の可能性」です。これらの権利は、外国人本人の人生設計だけでなく、企業側の人材戦略にも直結します。

在留期間の上限
特定技能1号:最長5年(更新あり、通算制限あり)
特定技能2号:更新に上限なし(無期限の就労が可能)

家族帯同の可否
1号:家族帯同不可(単身赴任)
2号:条件を満たせば配偶者・子どもの帯同可

永住権取得の可能性
2号での長期就労により永住権申請が可能(原則10年以上の就労・居住が条件)

支援義務や求められる技能水準の違い

制度運用上、企業の負担や求められる人材のスキルにも大きな違いがあります。特定技能2号はより高度なスキルと現場経験を前提としているため、外国人労働者は即戦力・中核人材として期待される存在となります。

支援計画の有無
1号:企業または登録支援機関による生活・業務支援が義務
2号:支援義務なし(自立した生活が前提)

求められる技能レベル
1号:基本的な業務遂行が可能なレベル(入門~中級)
2号:班長・サブマネージャー・現場指導者としての熟練技能・実務経験が必要

例:製造業では「製造分野特定技能2号評価試験」や技能検定1級の合格
例:建設業では班長としての業務経験が2~3年以上必要

日本語能力の目安(分野による)
一部分野ではJLPT N3レベル以上が求められる(外食・漁業など)

特定技能2号の取得条件とは?試験と実務経験の要件を分野別に解説

特定技能2号を取得するには、分野ごとに定められた技能試験や実務経験の要件をクリアする必要があります。特に製造業・建設・造船といった主要分野では、実務能力と現場での指導力が重視されており、企業の評価・証明も不可欠です。

ここでは、制度共通の基本条件と、各分野ごとの具体的な要件を整理して紹介します。

技能試験・資格・日本語能力の基本要件

特定技能2号では、1号よりも高い水準の技能と経験が求められ、分野別に実施される「評価試験」または国家資格の取得が条件となります。また、一部の分野では日本語能力も問われるため、企業は人材の教育支援や受験環境の整備が求められます。

技能評価試験の合格が基本
各分野で実施される「特定技能2号評価試験」に合格
もしくは「技能検定1級」などの国家資格を取得していること

実務経験の重要性
評価試験に加えて、原則として現場でのリーダー職等の経験が求められる
経験年数や職務内容の証明が必要(企業側の証明書類が必須)

日本語能力の有無(分野別)
一部分野(外食・漁業など):JLPT N3以上が明記されている
他分野:試験が日本語で実施されるため、日常会話+専門語彙の理解が必須

主要分野(製造業・建設・造船)における条件の違いと実務経験例

業界ごとに求められる試験・経験年数・役割には明確な違いがあります。特に製造業・建設・造船は外国人雇用が活発な分野であり、要件の正確な把握が不可欠です。

以下では、それぞれの代表的な条件と実務経験例を分かりやすくまとめます。

【製造業(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)】
試験要件:
「製造分野特定技能2号評価試験」+「ビジネス・キャリア検定3級」
または「技能検定1級(機械加工、電気機器組立など)」

実務経験例:
国内企業における製造現場での3年以上の勤務
担当部門長・班長などとして生産工程を指導した経験

【建設業】
試験要件:
「建設分野特定技能2号評価試験」または「技能検定1級/単一等級」

実務経験例:
工事現場で班長として複数の作業員を指導・工程管理した経験(1~3年程度)
職種や試験区分に応じた就業日数が定められている

【造船・舶用工業】
試験要件:
「造船・舶用工業分野特定技能2号試験」または「技能検定1級」

実務経験例:
グループリーダー・監督者として、溶接・艤装などの現場を管理した経験(2年以上)
作業指示・進捗管理・安全管理の実務に従事

特定技能2号を導入する際の実務的な手続きと留意点

特定技能2号を導入するには、単に条件を満たした外国人を採用すればよいというわけではありません。企業側にも、在留資格の申請手続きや必要書類の整備、協議会への加入など、守るべきルールや準備すべき事務作業があります。

この章では、受け入れまでの流れと企業が押さえておくべきポイントを実務的な観点から解説します。

申請手続きの流れと必要書類(企業・外国人それぞれ)

特定技能2号の在留資格を取得するには、「在留資格変更許可申請」や「在留資格認定証明書交付申請」を通じて、出入国在留管理庁への届け出が必要です。
手続きの主体は企業である場合が多く、外国人本人と協力して以下の書類を準備する必要があります。

企業側の主な提出書類:
登記事項証明書

納税証明書、社会保険料の納付状況の証明

雇用条件書、業務内容の説明書

協議会への加入証明(分野によって必要)

外国人側の主な提出書類:
健康診断結果、源泉徴収票、住民税関係書類

技能試験合格証、日本語能力試験の合格証(必要分野のみ)

実務経験証明書(企業発行)

申請先は、原則として「外国人の居住地」または「受入れ企業の所在地」を管轄する入管となり、審査には通常1~3ヶ月程度がかかります。

協議会への加入や雇用条件での注意点

特定技能2号の外国人を雇用するには、対象分野ごとに設けられている「特定技能協議会」への加入が義務付けられているケースがあります。
例えば、ビルクリーニング業では「ビルクリーニング分野特定技能協議会」、外食業では「外食業分野特定技能協議会」などが該当します。
また、雇用条件の整備にも注意が必要です。
労働時間、賃金、社会保険加入など、日本人と同等以上の待遇を確保することが求められます。

実務経験の証明内容が不十分だと、在留資格が認められないこともあるため、就業内容や役職が明記された証明書をしっかり整える必要があります。

特に、1号から2号への移行者に対しては、適切な管理体制やキャリア形成支援を行っていることも評価対象になるため、採用後の体制整備も含めて早期から準備しておくことが重要です。

特定技能2号で長期雇用と組織力強化を目指そう

特定技能2号は単なる人材不足の穴埋め制度ではなく、優秀な外国人材を中長期的に育成・定着させ、企業の将来を支える力へと変えていく制度です。この章では、特定技能2号を活用するうえで企業に求められる視点や、今後の制度の動向を踏まえた効果的な活用の方向性について考察します。

特定技能2号を活用する企業に求められる視点

特定技能2号の本質的な活用には、「一時的な労働力」としてではなく、「共に働き、成長する仲間」として外国人材を迎え入れる企業姿勢が不可欠です。

企業には次のような視点が求められます:
キャリア形成を支える体制づくり:長期雇用が前提となるため、OJTや資格取得支援などの成長支援がカギになります。

日本人社員との協働体制の強化:文化の違いを理解し、チーム全体で支え合う体制が必要です。

定着のための生活支援:就労だけでなく、住居、教育、医療などの生活基盤の整備が、長く働き続けるための土台になります。

これらを整えることで、外国人材が本当の意味で企業の戦力となり、現場全体の活性化にもつながっていきます。

今後の制度動向と特定技能制度の発展的な活用方法

現在、特定技能制度そのものも進化の途中にあり、2024年には対象分野の拡大や、移行手続きの明確化が進められました。将来的には、1号から2号へのスムーズな移行ルートの整備や、3号相当の新制度創設なども検討される可能性があります。

制度の動向をふまえ、企業側も以下のような発展的な活用を検討するとよいでしょう:
・「定着」を超えたリーダー育成:2号人材を現場の指導的ポジションに据えるなど、中核人材化の促進
・国籍を問わない多様性の活用:多文化共生の観点で、企業文化や業務改善にも好影響をもたらす
・企業ブランディングへの活用:外国人にとって働きやすい職場であることが、採用競争力の強化にも直結

制度の変化に柔軟に対応しながら、戦略的に外国人材を育て、企業の中核を担う存在へと導く視点が、これからますます重要になっていきます。

まとめ:特定技能2号の理解と準備が、企業の未来を拓くカギに

特定技能2号は、外国人材を長期にわたって活用できる大きなチャンスです。1号との違いや取得条件、移行の流れ、導入時の実務までを正しく理解することで、企業の持続的な人材確保と現場の活性化が実現できます。

制度の本質を捉え、計画的な受け入れと育成に取り組むことが、未来の組織力強化へとつながる第一歩です。

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