特定技能「漁業」入門:受け入れ方法とポイント解説
日本の漁業・水産業では労働力不足が深刻化し続けており、外国人労働者の積極的な受け入れが必要不可欠となっています。本記事では、特定技能「漁業」制度を利用して外国人労働者を雇用し、企業が人材育成と労働力確保に成功する方法とポイントについて解説します。
受け入れ条件や対象業務範囲、異なる受け入れ方法に対するメリットとデメリット、報酬や転職に関する規定など、特定技能「漁業」制度に関する情報を網羅的に紹介します。適切な受け入れ手続きと対応で、企業は労働力不足を克服し、現場に強力な人材を育てることができるでしょう。
1:特定技能「漁業」の目的と概要
特定技能「漁業」は、2019年4月の出入国管理法改正に伴い、後継者不足による働き手不足が深刻化している漁業・水産業分野に、外国人特定技能人材を受け入れる制度として新設されました。
2:漁業・水産業と現状の課題
日本の漁業・水産業は、後継者不足による労働力不足が顕著で、過去20年で働き手の数が半減しています。このため、国内労働者の確保が困難であり、外国人特定技能人材の受け入れが急務となっています。
3:特定技能「漁業」を受け入れる方法
特定技能「漁業」の外国人材を受け入れるための方法には、留学生への資格取得支援、技能実習2号を修了した人材の採用、海外での技能評価試験・日本語試験支援、短期来日での資格取得支援があります。各方法は異なるメリットがあるため、受け入れ企業や法人は適切な方法を選択して特定技能人材を採用することができます。
4:特定技能「漁業」の対象業務範囲
特定技能「漁業」人材が行うことができる業務には、漁具の製作・補修、漁船・漁具の操作、漁獲物の処理・保蔵、養殖資材の製作・管理、養殖水産動植物の育成管理などが含まれます。これらの業務に関連する付加業務も対象となります。
5:特定技能「漁業」人材の受け入れ基準
特定技能「漁業」人材を受け入れる法人は、事業の実施と共に、法令遵守と雇用契約履行体制の整備が求められます。また、「漁業特定技能協議会」への加盟や積極的な協力、技能実習生の適切な待遇なども必要条件として挙げられます。
受入れの要件
受入れ企業は、以下の要件を満たすことが求められます。
・法令遵守
・過去1年間で非自発的離職者の不存在
・過去1年間で外国人労働者の行方不明者の不存在
・違法行為の経験のないこと
・文書の適切な作成および保管
・保証金等に関係しないこと
・違反金を定める契約の不締結
・労働者派遣の場合の派遣先の基準適合
・労災保険成立の届出
・雇用契約継続の適切な体制整備(直接雇用形態および労働者派遣)
・報酬の振込手続き
6:報酬と転職に関する規定
特定技能「漁業」人材の報酬は、同等の業務に従事する日本人労働者の報酬額と同等またはそれ以上である必要があります。また、同業者内での転職は、「同一の業務区分内、または試験等により技能水準が共通している業務区分間」に限られます。
まとめ
特定技能「漁業」制度を上手に活用することで、労働力不足が深刻化している漁業・水産業分野に外国人労働者を受け入れることが可能となります。企業や法人は、事前協議や準備を行い、適切な特定技能「漁業」人材の受け入れを進めることが求められます。