在留資格「永住者」と「特別永住者」とは?その違いをわかりやすく
外国人を雇用する企業にとって、在留資格に関する正確な知識は不可欠です。特に「永住者」と「特別永住者」の違いや、それぞれの資格取得方法、雇用に関する手続きなど、具体的な情報を理解することは、適切な雇用管理に繋がります。本記事では、永住者や特別永住者に関する重要なポイントや、よくある質問に対する回答を詳しく解説します。
永住者と特別永住者はどう違う?
在留資格の中でも「永住者」と「特別永住者」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。この二つの在留資格は、共に日本に長期間住むことが許される資格ですが、その内容には明確な違いがあります。
永住者と特別永住者は、どちらも日本に長期間住むことができる在留資格ですが、その取得要件や適用される法律に違いがあります。外国人雇用を考える際には、これらの違いを理解することが重要です。
永住者について
永住者とは、法務大臣により永住許可を受けた外国人を指します。永住者は在留資格の更新が不要で、日本国内で自由に就労、転職、起業が可能です。2023年6月時点で約88万人の永住者が日本に在住しており、主な国籍は中国、フィリピン、ブラジルです。
永住者の特徴は、日本に永続的に滞在できることです。一般的な在留資格では、活動目的に応じて制限があり、特定の職種にしか就けませんが、永住者はそのような制約がありません。さらに、永住者は在留期間の制限がないため、在留資格が取り消されない限り日本に永住することができます。ただし、在留カードの有効期限が7年ごとに更新が必要です。
永住許可を受けるためには、素行が善良であること、独立の生計を営むに足りる資産や技能を有すること、そして日本国の利益に合致することが求められます。日本人や特別永住者の配偶者や子供の場合、これらの要件は一部免除されることがあります。
また、特例として日本人や永住者の配偶者であれば、婚姻生活が3年以上継続し、引き続き1年以上日本に在留していれば、永住権を申請することができます。その他、特定の在留資格を持つ場合や、日本に貢献があると認められる場合も特例が適用されます。
永住者の資格は、外国人雇用においても大変重要であり、多くの企業にとって有益な情報となります。
永住者の要件3つについて
- 素行が善良であること
永住者として認められるためには、法律を遵守し、社会的に非難されない生活を送ることが必要です。具体的には、犯罪歴がなく、日常生活での行動が良好であることが求められます。軽微な違反、例えばスピード違反や駐車違反などは通常素行不良と見なされませんが、繰り返し違反を犯す場合は問題となる可能性があります。
- 独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
永住者として日本で安定して生活するためには、必要な収入や資産、技能を持っていることが求められます。具体的には、継続的に独立して生計を営むための職業や収入があることが必要です。この判断は本人だけでなく、配偶者や家族の収入も考慮されます。また、生活保護などの公的扶助を受けていないことも要件の一つです。
- その者の永住が日本国の利益に合致すると認められること
永住者として認められるためには、日本国の利益に適合することが求められます。具体的な要件は以下の通りです:
–継続して10年以上日本に在留していること:この期間のうち、5年以上は就労資格や居住資格を持って在留していることが必要です(「技能実習」および「特定技能1号」は除く)。
–納税義務や社会保険料の支払いを適切に履行していること:税金や社会保険料の支払いを怠らず、罰金刑や懲役刑を受けていないことが求められます。
– 現に有する在留資格が最長の在留期間であること:現在の在留資格が最長期間であることが必要です。
– 公衆衛生上の観点から有害とならないこと:感染症などの公衆衛生上の問題がないことが求められます。
また、特例として、日本人や永住者、特別永住者の配偶者または子供である場合、素行や生計の要件は一部免除されることがあります。さらに、難民認定を受けた場合や高度な専門技能を持つ外国人については、特例が適用され、永住許可の要件が緩和されることがあります。
永住許可が取り消される場合は?
永住者の在留資格は、以下の条件で取り消される可能性があります:
– 虚偽の申請や偽造書類で在留資格を取得した場合
– 懲役刑を受けた場合
– 再入国許可を得ずに出国し、1年以上戻らない場合
– 居住地の届出や転入転出届を怠った場合
特別永住者も再入国許可を受けずに出国し、期限内に戻らない場合は資格を失います。
これらの要件を満たすことで、法務大臣から永住許可を受け、永住者として日本で生活することが可能になります。
永住権申請方法について
永住権を申請するには、以下の2つの方法があります。
1. 現在持っている在留資格から永住者の在留資格へ変更する場合
この方法では、現在の在留資格の期限が満了する前に永住許可申請を行います。永住許可申請中に在留期間が切れる場合は、別途「在留期間更新許可申請」を行う必要があります。在留期間更新許可申請は、在留期間が満了する日までに行うことが重要です。許可された場合、申請手数料として8,000円が必要です。
2. 出生などによって永住者の在留資格を取得する場合
出生などの理由で永住者の在留資格を取得する場合は、出生などの事由が発生してから30日以内に申請します。この場合の申請手数料はかかりません。
申請
申請は以下の場所で行うことができます:
- 申請人が居住する地域を管轄している地方出入国在留管理官署
- 外国人在留総合インフォメーションセンター
審査期間
法務省によると、永住権の申請から結果が出るまでの期間は約4ヶ月とされています。しかし、審査は厳格で、他の在留資格よりも時間がかかることが多く、6ヶ月以上かかる場合もあります。
代理申請が可能な場合
本人以外でも、以下の条件を満たす場合は代理申請が可能です:
- 地方出入国在留管理局長から申請取次の承認を受けている者(申請人の勤務先の職員、研修先の職員など)
- 地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士または行政書士で、申請人から依頼を受けた者
- 申請人が16歳未満または疾病などで自ら出頭できない場合、その親族や同居者など
必要書類
永住者の在留資格に変更する際に必要な書類は以下の通りです:
- 申請書
- 写真(1枚、写真の裏面に氏名を記入)
- 立証資料(元の在留資格によって異なる)
- 在留カードまたは外国人登録証明書
- 資格外活動許可書(該当者のみ)
- 旅券または在留資格証明書
- 旅券や在留資格証明書を提示できない場合、その理由を記載した理由書
- 身分を証する文書(代理申請の場合)
これらの手続きを経て、永住権の取得を目指します。
特別永住者について
特別永住者とは、1991年(平成3年)11月1日に施行された「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(入管特例法)」に基づく在留資格を持つ外国人を指します。具体的には、第二次世界大戦前から日本に居住し、日本国民として生活していた外国人やその子孫が該当します。
特別永住者の背景
特別永住者の多くは、第二次世界大戦後のサンフランシスコ平和条約により日本国籍を離脱した韓国・朝鮮人や台湾人です。これらの方々は、戦前および戦中に日本の領土内で生活していたため、特別な配慮として永住資格が付与されました。また、特別永住者の資格は子孫にも引き継がれ、親が特別永住者である場合、その子供も特別永住許可を申請することができます。
特別永住者の権利と制限
特別永住者は、就労や居住に関する制限がほとんどありません。どのような仕事にも就くことができ、日本人と同様に自由に職業を選ぶことができます。また、在留期間に制限がなく、特別永住者としての資格が取り消されない限り、永続的に日本に滞在することができます。
特別永住者の現状
2023年現在、日本には約28万人の特別永住者がいます。その約9割が韓国人で、その他は在日朝鮮人や台湾人です。特別永住者は、日本社会に深く根ざしており、多くの場合、日本人と同様の生活を送っています。
特別永住者と企業
企業にとって、特別永住者の雇用は、日本人と同様の手続きで行うことができるため、外国人雇用の際に特別な対応が必要ありません。これにより、特別永住者は日本企業にとって重要な労働力となり得ます。
特別永住者の要件について
特別永住者とは、1991年(平成3年)11月1日に施行された「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(入管特例法)」により定められた在留資格を持つ外国人を指します。具体的には、第二次世界大戦後のサンフランシスコ平和条約により日本国籍を離脱した韓国・朝鮮人や台湾人、及びその子孫が該当します。以下に、特別永住者と認定されるための要件を詳しく説明します。
特別永住者の基本要件
- 平和条約国籍離脱者またはその子孫であること
特別永住者として認定されるには、平和条約国籍離脱者、またはその子孫であることが必要です。具体的には、1952年4月28日に発効したサンフランシスコ平和条約により日本国籍を離脱した在日韓国人・朝鮮人、及び在日台湾人が対象です。
- 1991年11月1日時点で特定の在留資格を有していること
平和条約国籍離脱者、またはその子孫で1991年11月1日(入管特例法施行日)現在で以下のいずれかの在留資格を有していることが要件となります:
– 昭和27年法律第126号第2条第6項の規定により在留する者(平和条約国籍離脱者として当分の間在留資格を有さなくても日本に在留できる者)
– 旧日韓特別法の規定により永住許可(協定永住)を受けている者
– 旧入管法に基づき永住者の在留資格を有して在留する者
– 旧入管法に基づき平和条約関連国籍離脱者の子の在留資格を持つ者
特別永住者の申請方法について
特別永住者の申請手続き
特別永住者になるための申請手続きは、他の在留資格とは異なり、居住地の市区町村窓口で行います。申請には法務大臣の許可が必要です。特別永住者証明書の交付申請を行い、許可が下りると特別永住者として認定されます。この証明書には有効期限があり、7年ごとに更新が必要です。
出生その他の事由で上陸手続きを経ずに日本に在留していること
平和条約国籍離脱者の子孫で、出生その他の事由により上陸手続きを経ずに日本に在留している場合は、60日以内に市区町村長を通じて出入国在留管理長官に特別永住許可申請を行い、許可を受ける必要があります。
提出書類の確認ポイント
– 出生届受理証明書を提出する場合、子の氏名、生年月日、出生地、性別、父母の氏名が記載されていることを確認してください。
– 住民票の写しを提出する場合、基礎証明事項(氏名、生年月日、性別、住所、外国人住民となった年月日)や特別永住者と記載されていることを確認しましょう。マイナンバー(個人番号)の印字は不要です。
特別永住者の特例
特別永住者は、歴史的経緯から他の外国人とは異なる特例が適用されます。以下に主要な特例を示します:
- 退去強制の限定
特別永住者は、退去強制となる条件が他の外国人よりも限定されています。例えば、内乱罪や外患誘致罪などの重大犯罪で禁錮刑以上に処せられた場合に限られます。
- 再入国許可
特別永住者は、再入国許可の有効期限が通常の外国人よりも長く、6年間です。また、特別永住者は顔画像と指紋の登録義務が免除され、日本への再入国もスムーズです。
- 登録証明書の携帯義務
特別永住者は、在留カードではなく特別永住者証明書を携帯します。この証明書には携帯の義務はありませんが、提示を求められた場合は保管場所まで同行して提示する必要があります。
特別永住者の要件は、平和条約国籍離脱者またはその子孫であることが基本です。特別永住者として認定されるためには、歴史的な背景に基づく特定の条件を満たす必要があります。特別永住者は、他の外国人よりも多くの特例が適用され、日本での生活や就労が大変自由です。企業の人事担当や経営層にとって、特別永住者の特性を理解することは外国人雇用を円滑に進めるために重要です。
特別永住権 証明書について
特別永住者証明書とは、日本で特別永住者として認定された外国人に交付される証明書です。特別永住者証明書は、特別永住者の身分を証明する重要な書類であり、特別永住者としての在留資格を証明します。この証明書には、氏名、生年月日、性別、住所、特別永住者であることを示す記載などが含まれています。
証明書の更新
特別永住者証明書には有効期限があり、7年ごとに更新が必要です。更新手続きは居住地の市区町村の役所・役場で行います。有効期限が切れる前に必ず更新手続きを行うことが重要です。更新を怠ると、特別永住者としての在留資格に影響が出る可能性があります。
永住者と特別永住者の違いについて
永住者と特別永住者は、日本において長期間の在留を認められた外国人ですが、その制度には大きな違いがあります。以下に、主な違いを説明します。
法的根拠
永住者は「出入国管理及び難民認定法」に基づいて在留資格を得ます。一方、特別永住者は「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」に基づいて在留資格を持ちます。この違いにより、両者の扱いや要件に差異が生じます。
申請先と手続き
永住者は地方入国管理官署で申請手続きを行いますが、特別永住者は居住地の市区町村の窓口で申請を行います。このため、申請場所が異なることを理解しておく必要があります。
審査基準
永住者は「素行が善良であること」「独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること」などの厳格な審査基準をクリアする必要があります。一方、特別永住者はこれらの審査基準が適用されず、基本的にはその身分を引き継ぐことで在留資格を取得します。
証明書の携帯義務
永住者は在留カードの携帯が義務付けられていますが、特別永住者には特別永住者証明書の携帯義務がありません。ただし、必要に応じて提示できるようにしておくことが求められます。
強制送還の条件
永住者は入管法第24条に基づき、特定の条件を満たすと強制送還の対象となります。これに対し、特別永住者は入管特例法第22条に規定された、内乱罪や外患誘致罪などの非常に重い罪を犯した場合に限り強制送還の対象となります。このため、特別永住者の方が保護が厚いと言えます。
再入国許可の年数
永住者が再入国する際の許可有効期間は最大5年ですが、特別永住者の場合は最大6年です。また、みなし再入国許可の有効期間も、永住者が1年に対し、特別永住者は2年となっています。
永住者 特別永住者の雇用について
永住者と特別永住者の雇用に関する手続きや注意点について理解することは、雇用主にとって重要です。このセクションでは、永住者と特別永住者の採用手続きや雇用管理に関する違いを明確にし、それぞれの在留資格に基づく具体的な対応方法について詳しく解説します。
雇用に関する違い
特別永住者は外国人雇用状況届出の対象外であり、雇用時に特別な手続きは必要ありません。一方、永住者を雇用する場合は、通常の外国人雇用手続きを経る必要があります。
2種類の在留資格はどちらも就労に関わる制限がないため、雇用主がおこなう手続きは比較的簡単です。
しかしながら、採用までの流れは永住者と特別永住者で異なる部分があります。
採用手続きの違いを比較
就労制限
前述の通り、永住者・特別永住者ともに就労に関する制限はありません。
在留カード・特別永住者証明書の確認
雇用者が「永住者」の場合は、在留カードを提示してもらう必要があります。
在留カードは、雇用主が労働者の身分を確認するための重要な手段です。
雇用者が自分の在留資格に合致するかどうかを確認し、不正な雇用や不法滞在を防ぐ役割を果たします。
また、雇用保険加入手続きの際に在留資格の種類やカード番号を記載する必要があることも把握しておきましょう。
「特別永住者」は、在留カードの代わりに特別永住者証明書が交付されています。しかし、この特別永住者証明書は雇用する際に提示してもらう必要はありません。常時携帯する義務もなく、在留カードとは扱いが異なるため注意が必要です。
外国人雇用状況の届出
外国人を雇用したら、「外国人雇用状況届出書」で外国人労働者の氏名や在留資格、在留期間の届け出が必要です。
これは、外国人労働者の雇用状況を把握し適切に雇用管理を行うために必要とされている制度です。「永住者」は外国人のため例外なく届出が必要になります。ただし、在留資格が「外交」や「公用」の方は対象外となります。しかしながら、「特別永住者」は外国人雇用状況の届出は必要ありません。
通称名での届出
永住者・特別永住者ともに、住んでいる市区町村の役所で通称名の登録が可能です。
日常生活や一般的なコミュニケーションにおいて通称名を使用できるため、日本で生活を送るうえで便益がありますが、法的文書や公的手続きにおいては、本名が必要とされることがあります。
特別永住者の雇用
特別永住者は、日本人と同様に就職活動が可能であり、雇用主も通常の日本人と同じ手続きで雇用できます。特別永住者証明書を提示する義務がないため、在留カードと同様に常時携帯する必要はありません。ただし、必要に応じて提示できるようにしておくことが求められます。
雇用保険や社会保険
特別永住者も永住者も、雇用保険や社会保険の手続きは日本人と同様に行います。また、所得税や住民税の控除も同様に受けることができます。しかし、扶養親族が海外にいる場合には、親族関係や送金に関する書類を日本語で提出する必要があります。
再入国許可
永住者と特別永住者が日本を出国し、再入国する場合には「再入国許可」が必要です。再入国許可の有効期間は、永住者が5年、特別永住者が6年です。また、みなし再入国許可の有効期間は、永住者が1年、特別永住者が2年です。
永住者と特別永住者の雇用手続きには、いくつかの違いがありますが、どちらも日本で自由に就労することができます。特別永住者は特別永住者証明書の提示が不要であることや、外国人雇用状況届出が免除されている点が大きな違いです。企業の人事担当者や経営層は、これらの違いを理解し、適切な手続きを行うことが重要です。また、永住者や特別永住者を雇用する際には、再入国許可の有効期間や在留資格の確認をしっかりと行いましょう。
永住者や特別永住者と帰化の違いについて
永住者や特別永住者は日本に長期間住むことができる在留資格を持つ外国人を指しますが、国籍はそのまま外国籍です。一方、帰化は外国籍から日本国籍に変更する手続きであり、帰化が認められると日本人となります。
在留資格と国籍の違い
永住者や特別永住者は、在留期間の制限がなく、日本で自由に生活や就労ができますが、国籍は変わりません。帰化した場合は、日本国籍を取得し、日本のパスポートが発行され、公務員への就職や選挙での投票など、日本人と同じ権利が与えられます。ただし、日本は二重国籍を認めていないため、帰化すると元の国籍を失います。
審査期間と手続きの違い
帰化の手続きは複雑で、1年以上の審査期間を要し、多くの書類を提出しなければなりません。対して、永住権の取得には10年以上の日本での居住が必要であり、審査も厳しいですが、国籍を変更するわけではないため、元の国籍を失うことはありません。
強制送還のリスク
永住者は一定の条件を満たすと強制送還の対象となる可能性がありますが、帰化した場合は日本国籍を持つため、そのようなリスクはありません。
永住者や特別永住者は、日本での長期滞在が可能で、多くの権利が認められていますが、国籍は外国のままです。帰化は日本国籍を取得し、日本人としての権利を得る手続きですが、元の国籍を失うことになります。企業の人事担当者や経営層は、これらの違いを理解し、外国人雇用の際に適切に対応することが重要です。
定住者と永住者の違いについて
定住者は、法務大臣が特別な事情を考慮して日本での在留を認めた外国人を指します。例えば、日本人の配偶者等の在留資格を持つ者が離婚や死別した場合、難民認定を受けた外国人、または日系人などが定住者の対象となります。定住者は就労に制限がないため、さまざまな職種で働くことができます。
在留期間の制限
永住者には在留期間の制限がありませんが、定住者には在留期間の制限があります。定住者は一定の期間ごとに在留資格を更新する必要があります。
取得の背景
定住者は特別な事情を考慮して個別に認められる一方、永住者は長期にわたる日本での生活や素行など、厳しい基準をクリアする必要があります。
定住者と永住者は、どちらも日本での長期在留が認められている点で共通していますが、在留期間の制限や取得の背景に違いがあります。外国人雇用を考える際には、これらの違いを理解し、適切に対応することが重要です。
推移について
永住者や特別永住者の数は時代とともに変化しており、その背景にはさまざまな社会的、経済的要因が影響しています。このセクションでは、永住者と特別永住者の人数の推移について具体的なデータをもとに分析し、その増減の理由や地域別の傾向について詳しく見ていきます。
永住者の増加傾向
1997年、一般永住者の割合は日本に在住する外国人総数の約6%でしたが、2016年には約30%まで増加しました。この増加の背景には、永住権に対する認知度の向上や外国人を積極的に雇用する企業の増加が考えられます。特に、東京や神奈川を中心とする関東地方や、東海地方の12都県で永住者の割合が高い傾向があります。
最近の推移
2018年6月末時点で、一般永住者の割合は28.8%とわずかに減少していますが、これは微細な変動であり、特定の要因を見極めるのは難しいです。
特別永住者の減少傾向
一方、特別永住者の割合は1997年に約37%でしたが、2016年には14%に減少しています。この減少の主な要因は、帰化を選択する外国人の増加や少子高齢化です。2018年6月末時点で、特別永住者の割合はさらに減少し12.4%となっています。
地域別の傾向
特別永住者は大阪を中心とする近畿地方に多く、次いで中京圏、首都圏に集中しています。2017年のデータでは、長崎県を除くすべての都道府県で永住者が増加傾向にあります。
まとめ
永住者と特別永住者の違いや各種手続きの詳細を理解することで、企業はよりスムーズに外国人を雇用できるようになります。永住者は出入国管理及び難民認定法に基づき、日本での長期在留が認められる一方、特別永住者は歴史的背景から特例法に基づき特別な在留資格が与えられています。どちらも就労制限がなく、自由に職業を選ぶことができる点では共通していますが、在留カードや証明書の携帯義務、強制送還の条件などに違いがあります。企業の人事担当者や経営層は、これらの違いを正確に把握し、適切な雇用対応を行うことが重要です。