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特定技能制度

特定技能外国人の採用に向けて押さえておきたい受入機関の要件とは?

外国人の採用は多くの企業が検討している課題の一つですが、日本では特定技能外国人の採用が注目されています。特定技能外国人は企業の長期的な人材確保に貢献することが期待されています。しかし、特定技能外国人を採用するには、受入機関としての要件を満たす必要があります。本記事では、特定技能外国人を採用するために押さえておきたい受入機関の要件について説明します。

1. 特定技能とは

まずはじめに、特定技能について説明します。特定技能とは、日本の労働力不足を解消するために導入された在留資格であり、以下の2つに分かれます。

  • 特定技能1号 : 特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事  する外国人向けの在留資格。
  • 特定技能2号:特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格。

2. 受入機関の要件

特定技能外国人を採用するためには、受入機関として以下の要件を満たす必要があります。

2.1. 事業所の設置要件

受入機関となる事業所は、以下の要件を満たす必要があります。

  • 営業所または事務所を日本国内に設置していること
  • 雇用する外国人労働者に対して、適切な労働条件を提供することができること

2.2. 資金力の要件

受入機関となる事業所は、以下の要件を満たす必要があります。

  • 適切な経営管理を行い、長期的な経営計画を策定していること
  • 外国人労働者を雇用するために必要な経費を負担できること

 

2.3. 人材育成計画の要件

特定技能外国人の受け入れにあたっては、外国人労働者に適切な技能を教育・訓練するための人材育成計画を策定し、実施する必要があります。具体的には、以下の要件があります。

(1) 外国人労働者に対する技能教育・訓練の実施

特定技能外国人の受け入れにあたっては、外国人労働者が必要な技能を身に付けるための教育・訓練を実施する必要があります。人材育成計画には、具体的な教育・訓練内容や実施方法、時間配分などが含まれます。

(2) 技能教育・訓練の実施体制の整備

人材育成計画では、外国人労働者に対する技能教育・訓練を実施するための体制の整備も必要です。具体的には、教育・訓練を実施する担当者の選定や役割分担、教材・設備の準備などが含まれます。

(3) 教育・訓練成果の評価とフィードバックの実施

人材育成計画では、外国人労働者の技能教育・訓練成果を評価し、フィードバックを行うことも重要です。具体的には、技能評価の方法や頻度、フィードバックの方法や内容などが含まれます。

以上のように、受入機関としては、外国人労働者の技能教育・訓練に関する人材育成計画を策定し、実施することが求められます。また、人材育成計画は、外国人労働者の技能を高めるだけでなく、事業所の生産性向上や人材育成にもつながるため、積極的に取り組むことが望まれます。

2.4. 労務管理の要件

受入機関となる事業所は、外国人労働者の労務管理を適切に行う必要があります。労務管理には、以下の要件が含まれます。

(1) 健康管理

外国人労働者の健康管理を適切に行う必要があります。健康管理には、定期的な健康診断や医療保険の加入、労働災害の防止などが含まれます。健康診断は、受入機関が費用を負担し、必要な場合は通訳を手配することが求められます。また、受入機関は、外国人労働者が適切な医療を受けられるよう、必要に応じて病院の紹介やアドバイスを提供することも必要です。

(2)労働条件の提示

外国人労働者には、適切な労働条件を提示する必要があります。具体的には、労働時間や休暇制度、賃金、社会保険の加入などが含まれます。また、受入機関は、外国人労働者に対して適切な指導やアドバイスを提供し、職場環境を整備することも求められます。

(3)労務トラブルの解決

労務トラブルが発生した場合には、受入機関が適切な処理を行うことが求められます。具体的には、トラブル発生時の対応方法や相談先の提供、紛争解決のための手続きの支援などが含まれます。

2.5. 外国人労働者の生活支援の要件

外国人労働者の生活支援を適切に行うことが求められます。具体的には、以下の要件が含まれます。

(1)生活環境の提供

受入機関は、外国人労働者に適切な住宅を提供することが求められます。住宅の提供には、住居面積の確保や家賃の負担などが含まれます。また、受入機関は、必要に応じて生活用品の提供や、住宅周辺の案内や情報提供なども行うことが必要です。

(2)言語・文化支援

外国人労働者が円滑に職場生活を送るためには、日本語の習得や日本の文化理解が必要です。受入機関は、必要に応じて日本語教育や文化理解の研修を提供することが求められます。また、日本語が理解できない場合には翻訳者の手配や通訳サービスの提供なども行うことが必要です。

(3)医療・保険支援

外国人労働者に対して、必要な医療や保険に加入することが求められます。受入機関は、必要に応じて医療機関の紹介や健康保険や労災保険の手続きなどを行うことが必要です。また、災害時には、適切な対応をすることが求められます。

(4)社会生活支援

外国人労働者が日本社会で適切な社会生活を送るためには、様々な情報やサポートが必要です。受入機関は、必要に応じて外国人向けの生活情報提供や、社会生活に必要な手続きのサポートを行うことが求められます。

これらの生活支援には、日本国内の外国人労働者に対する支援制度や取り組みがあります。例えば、外国人技能実習制度においては、受入機関が外国人実習生の生活支援を適切に行うことが求められており、そのためには、受入機関の健全な経営体制の確立や、生活環境の整備などが必要です。

また、外国人労働者の生活支援については、国や地方自治体、NPO法人などによる支援事業も展開されています。これらの支援事業は、外国人労働者の生活環境や社会生活に関する情報提供や相談対応、日本語教育や文化理解研修、医療や保険に関する手続き支援などを行っています。

受入機関として、外国人労働者の生活支援に積極的に取り組むことは、外国人労働者が適切な労働条件で働き続けることができるよう支援することにつながります。そのためには、外国人労働者のニーズを把握し、適切な支援を提供することが重要です。例えば、住居面積や家賃だけでなく、外国人労働者が必要とする生活用品やサービスについても配慮する必要があります。また、日本語教育や文化理解の研修についても、外国人労働者のレベルやニーズに合わせたカリキュラムを提供することが求められます。

さらに、受入機関は、外国人労働者が生活する地域とのコミュニケーションを促進することも重要です。地域の行事や文化活動に参加する機会を提供することで、外国人労働者が地域社会に溶け込み、より充実した生活を送ることができます。

なお、外国人労働者の生活支援には、法律上の義務があります。外国人労働者の労働条件や生活環境が不適切である場合には、受入機関としての認定を取り消される可能性があります。また、不適切な労働条件や生活環境によって外国人労働者が被る健康被害や人権侵害の責任を問われる可能性もあります。

まとめ

以上のように、受入機関としては、外国人労働者の生活支援に積極的に取り組み、適切な労働条件や生活環境を提供することが求められます。これにより、外国人労働者が日本で働き続けるためのモチベーションを高め、企業にとっても生産性向上や競争力強化につながることが期待されます。

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